7.今は昔。「甲東園」の成立ち

芝川又右衛門邸と甲東園

  この建物の持ち主の芝川又右衛門氏は上ケ原一帯で広大な果樹園を経営していた。彼は、この街がもっと栄えるためには、人が住み、鉄道が通る事が重要と考え、阪神急行電鉄の小林一三氏に要請することで西宝線(現 今津線)に甲東園駅が完成した。
 一方その頃、政府の大学令に基づく大学昇格申請に悩んでいた原田の森(現王子公園駅周辺)にあった『関西学院』は、仲立ちできる人を通じて小林氏に相談を持ちかける。その結果、芝川氏が中心となって土地を取得し、これを小林氏に売却する事で用地を確保し、関西学院は王子公園のキャンパスを引き払い、上ヶ原に移転する。また、芝川氏は喜寿を迎えるにあたり、関西学院に七十七本の楠を寄付。現在も校内にその名残りがみられる。
その後、神戸女学院も神戸から岡田山に移転。両方の校舎や校庭はアメリカより来日したウィリアム・メレル・ヴォーリズ氏が同時期に設計し、瀟洒なスパニッシュデザインの大学ができあがった。大学開設に伴い、阪急電車の今津線も通学の大学生が増加し、また住宅地の分譲により、賑わいのある文化、教育、住まいという3つの要素を兼ね備えた町ができあがった。今では甲東園の駅だけで1日約3万人が利用している。
 さて、この建物のその後ですが、西宮には現存しない。阪神・淡路大震災で被害を受け、現地での修理は不可能となり、解体され、愛知県犬山市にある博物館明治村に移築され復原された。現地では内部を見学し、当時のエピソードが聞けるガイドツアーを行っている。

芝川又右衛門邸(大正12年頃撮影)

【設計】 武田五一
【旧所在地】 兵庫県西宮市上甲東園2丁目
【現所在地】 愛知県犬山市 博物館 明治村
【建設年代】 明治44年(1911)

西宝線(今津線)甲東園駅 昭和17年頃

上ケ原移転当時の関西学院

【写真提供・監修】 千島土地株式会社・阪急電鉄・関西学院大学

歴史秘話にしのみや【ウブスナ】vol.3-7

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