文学作品ゆかりの場所を訪ねてみるのも夙川散策の楽しみ方の1つ。
夙川は昔から多くの文人が好んで住んだ地で、文学作品の中にもその美しさが描写されています。
田辺聖子の「女の日時計」や宮本輝の「青が散る」などには夙川の桜が、また桜にかぎらず、河畔の松や夙川の流れ、甲山、夙川は作家の思い出の舞台として、あるいは創作の舞台として、数々の作品の中に登場しています。
文学作品ゆかりの場所を訪ねてみるのも夙川散策の楽しみです。
阪急夙川駅から西へ約5分のところにあるカトリック夙川教会は、遠藤周作が洗礼を受けた教会。遠藤文学の原点とも言われています。美しいネオゴシック様式の聖堂で、青空にそびえる高さ33メートルの尖塔は夙川の美しいランドマークです。
JRさくら夙川駅から東へ約10分、平松町にあるマンボウトンネルは谷崎潤一郎の「細雪」に登場します。マンボウトンネルは人が通れる程度の小さなトンネル。ここを通りぬけたところの一本松も「細雪」に描かれています。
夙川の河口に近い小さな橋、葭原橋は、村上春樹の作品「ランゲルハンス島の午後」のモデルとなっている橋として有名です。小学校から中学校にかけて西宮で暮らした村上春樹。作品の中に多くの西宮の情景が見られます。
野坂昭如の「火垂るの墓」でホタルが飛び交っていた池はニテコ池がモデルと言われています。また、夙川河口にある回生病院も作品の中に出てきます。
作家ではありませんが、湯川秀樹博士がノーベル賞を受賞した中間子論は苦楽園に住んでいた頃に着想を得て書かれた論文で、博士の随筆「旅人」の中で「思い出の家」として苦楽園が紹介されています。
他にも、井上靖、小田実、小松左京など、西宮にゆかりのある作家は枚挙にいとまがありません。 詳しくは「西宮文学回廊」をご覧ください »