開門神事と福男選び
1月10日の午前6時に大太鼓が鳴り響き、通称「赤門(あかもん)」と呼ばれる表大門(おもてだいもん)が開かれると同時に本殿を目指して走り出す参拝者たち。テレビや新聞でも報道される迫力あるシーンです。
この神事は開門神事・福男選びと呼ばれており、西宮神社独特の行事として、江戸時代頃から自然発生的に起こってきたといわれています。
当日は、本えびすの10日午前0時にすべての門が閉ざされ、神職は居籠りし午前4時からの大祭が厳かに執り行われます。午前6時に赤門が開放され、230m離れた本殿へ「走り参り」をし、本殿へ早く到着した順に1番から3番までがその年の「福男」に認定されます。
先頭に並ぶ108人とその後ろの150人は先着1500人の中から抽選して決められますが、その後ろは一般参加で並んで入れます。また先着5000名には開門神事参拝証が配られます。ちなみに、「福男」とはいえ、女性でも参加できます。
逆さ門松
西宮神社の門前町には古くから、門松の枝を逆さにつけかえて飾る風習がありました。
これは宵えびす(1月9日)の夜にえびす様が神馬に乗って巡行されるときに松の葉先でけがをされないようにという心くばりと言われています。
近年、えびす様が西宮の人たちに愛されてきたことを伝える心あたたまる伝統として復興され、拝殿両側には高さ7メートルほどの竹に松枝をくくりつけた逆さ門松が立てられ、初詣や十日えびすの参拝者を迎えてくれます。