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西宮神社「御社用日記展」
江戸時代に西宮を象が通った!
幕末には異国船が沖合にやってきた!
このたび、西宮神社の「御社用日記」216冊が西宮市の重要文化財に指定されました。「御社用日記」は西宮神社と廣田神社の歴代神主の記録で、元禄7年(1694)を最古とし、現代までその記録は続けられています。
※ 文化財指定について神戸新聞記事はこちら。西宮市役所Facebookでの紹介はこちら。
その貴重な記録の中より、ちょうど300年前の正徳6年(1716)から、大正15年(1926)までの計11冊が、西宮神社で4月30日まで展示されています。「御社用日記」は、江戸時代における神社の運営実態や、周辺地域の姿を明らかにする史料として歴史的価値の高いものですが、今回の展示では、当時の世相を反映したような興味深いトピックを選んで展示されています。
原本は難解なくずし字ですが、原文翻刻・意訳・解説が添えられているので、とてもわかりやすく、興味深く見ることができます。
御社用日記展
期間 : 平成28年(2016) 2月1日(月)~4月30日(土)
時間 : 午前9時~午後4時
会場 : 西宮神社 えびす信仰資料展示室(社務所1階)
入場無料
交通 : 阪神「西宮」駅より徒歩5分、JR「さくら夙川」駅より徒歩10分
西宮神社
662-0974 兵庫県西宮市社家町1番17号
TEL 0798-33-0321
11冊の日記が詳しい解説と共に展示されています。
3番目の展示。享保14年(1729)4月19日には、西宮を象が通っています。これは、将軍徳川吉宗の依頼で、清国の商人が広南(ベトナム)から長崎へ象を運んできて、将軍家に献上するために、約2か月かけて、長崎から陸路を歩いて江戸まで向かった途中の出来事です。
【原文】四月十九日九つ前、唐より之象通り申候事
【意訳】4月19日の正午頃、唐(中国)からの象が通行した。
7番目の展示。元治元年(1864)8月26日には、英仏米蘭の四国連合艦隊が尼崎沖に停泊しました。これは、幕末期に攘夷を断行した長州藩への報復を行った四国連合艦隊17隻が、横浜への帰路に示威行動のために大阪湾に一時停泊したのを、当時の神主が見てきて記録したものです。国名や船の大きさなどは事実とは異なっているのですが、そのことがかえって、当時の人々の驚きと混乱を示しているように感じました。
【原文】廿六日、尼崎沖江異国船十三艘入津、大に海岸騒ヶ敷御座候事
【意訳】8月26日、尼崎沖へ異国船13艘が入ってきた。海岸は大変騒がしいことであった。
(SH)