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型にロウを流しこむ「こけしろうそく」づくりと絵付け体験 終了しました。
日本古来の灯り、和ろうそく。西宮市の今津にある「松本商店」は、全国に30店舗ほどしかない和ろうそく屋の一つで、兵庫県伝統的工芸品指定の和ろうそくを製造・販売しています。
10月から始まった「まちたび西宮2015」では、実に82種類ものプログラムを用意していますが、11月21日(土)に、その一つ「型にロウを流しこむ『こけしろうそく』づくりと絵付け」の実施の様子を見てきました。
これは、和ろうそく屋「松本商店」で、竹串に和紙とイ草を巻きつけ灯芯を作る「芯さし」から、型にロウを流しこむ「型流し」、仕上げの「絵付け」まで、伝統の技を一つ一つ体験しながら、オリジナルの和ろうそくを作るものです。
単なる「絵付け」だけではなく、ろうそく作りの全行程を自分自身でやってみるという、きわめて貴重で珍しい体験でした。
- ※ 今回ご紹介した「型にロウを流しこむ『こけしろうそく』づくりと絵付け」は今年度は終了しましたが、ろうそくづくりのもうひとつのプログラム、「工房で芯から作る 和ろうそくづくりと絵付け」は、今年度は12月12日(土)にも予定しております。詳しくはこちらをご覧ください。
- ※ 「まちたび西宮2015」では、この他にも魅力的なプログラムをたくさん用意しています。詳しくはこちらをご覧ください。また、今年度からは新たに、親子で楽しめるプログラムを「まちたび西宮2015ファミリー」として展開しています(→こちら)。
西宮市の今津にある「松本商店」の創業は1877(明治10)年。今なお、昔ながらの材料と製法で、ろうそくを製造しています。西洋ろうそくの普及により減少の一途をたどっていた和ろうそくも、近年では、その神秘性、姿の良さ、火持ちの良さ等々が見直され、その癒し効果を求めて、インテリアとしての「和の灯り」の評価が高まっているようです。
和ろうそくの製造方法は、一本一本を手で作る「清浄生掛け(しょうじょうきがけ)」と、型に流して作る「型流し」があります。今回は「型流し」のプログラムです。
※昨年度の「清浄生掛け(しょうじょうきがけ)」体験の様子はこちらをご覧ください。
まずは、ろうそくの芯を作る「芯さし」という作業です。竹串に和紙を巻き付け、その上にイ草(藺草)の茎の髄(ずい)と呼ばれる白い糸状のものを巻いていきます。柔らかいスポンジ状の髄は、その毛細血管作用によって油を吸収し、燃焼させる灯芯になります。
竹串にイ草を巻いた後は、真綿をネット状にきつくかぶせて、イ草がほどけないようにします。
シリコン製の型に芯をはめています。実際に「型流し」で和ろうそくを作る時は、大きな木型で大量に作っていきますが、今回は初めての人でも扱いやすい、柔らかいシリコン製のオリジナルの型を使い、1本ずつ作っていきます。
輪ゴムでしっかり型を固定してから、熱して溶かしたロウを型に流し込みます。和ろうそくの原料のロウは、西洋ろうそくの原料となる石油製品のパラフィンとは異なり、自然の原料を使います。「型流し」には、固まるのが早く生産効率がいい糠(ぬか)ロウを使います。これは米ぬかを精製したものです。
20分ほど経過して固まり始めたら、芯の串を抜きます。串を抜いたところは空洞になるので、ろうそく立てにろうそくを立てる時にその穴を利用します。
ロウが固まったら型から取り外します。気を付けないと、この時にろうそくが割れてしまうことがあるとかで、慎重にシリコンの型を少し広げながら、ろうそくをはずします。
型からはずしたろうそくの余分な部分を切り取る「裾切り」という作業。包丁を電熱器で熱してから切るので、力を入れなくても、スーと切れます。
最後は水溶性のアクリル絵具で「絵付け」です。今回の参加者は「こけし」の絵を描きたいとのことで、こけしの絵とミニこけしをご持参で、それらを手本に絵付けをなさっていました。
(SH)