西宮神社は全国に約三千ある蛭子(えびす)神を祀る神社の総本社です。創建の年代は定かではありませんが、その昔、鳴尾の漁師が網にかかった御神像をお告げに従いこの地に祀ったのが起源と言われており、平安時代の文献にすでに「えびす」の名が記されています。
蛭子神は海から現れたとの伝承から当初は航海や漁業の神とされており、商売繁盛にご利益のある神様となったのは七福神信仰が広まった室町時代以降のようです。江戸時代には庶民にも広く信仰されるようになり、今なお商売繁盛の神様「えべっさん」として親しまれています。
本殿は三連春日造(さんれんかすがづくり)というめずらしい構造で、別名「西宮造り」とも呼ばれています。
江戸時代に4代将軍徳川家綱により寄進され国宝にも指定されていましたが、昭和20年に戦火にあい消失。昭和36年に復元されました。
荘厳で美しいたたずまいの本殿に祀られている御祭神は、第一殿(東)がえびす大神、第二殿(中)は天照大御神、第三殿(西)は須佐之男大神です。
えびす信仰展示室
えびす様は親しみを込めて「えべっさん」と呼ばれ、そのふくよかなえびす顔をかたどった人形像や絵画、お面などがたくさんつくられてきました。
西宮神社ではそれらを収集し、社務所の中に「えびす信仰展示室」を設けています。さまざまな表情のえびす様についつい微笑んでしまいます。
笑う門には福きたる。参拝の際にはぜひ立ち寄って福をいただいてください。