灘の酒造りの歴史

宮水灘の酒造りは、室町時代にはすでに始まっていたとの記録があります。当時から、西宮で造られる酒は、「西宮の旨酒」として知られていたそうですが、灘の酒がその知名度を特にあげたのは江戸時代中期。灘は海岸に面していたため輸送に有利で、酒を専門に運ぶ帆船である樽廻船に大量の酒を積み込んで江戸市中へと送りこみました。

当時、西宮には樽廻船問屋が6軒あり、今津港からも多くの船が出港していました。その航海の安全を願って建造されたのが「今津灯台」。酒造家の長部長兵衛が私財を投じて文化7年(1810)に創建したものです。
電気に切り替わる前までは、風雨の日も厳寒のときも、毎日、夕暮れになると丁稚さんが油2合をたずさえて点灯に行ったそうです。

現在私たちが目にしているのは昭和59年(1984)に復元されたものですが、今も「大関酒造今津灯台」の名前で航路標識として海図にも掲載されており、その灯をたやすことなく立派に機能を果たしています。


「くだらない」話

昔は、灘五郷から江戸へ向けて酒を船で運んで下りました。その、灘五郷の酒の美味しさがたちまち評判になり『くだりもの』と言う言葉ができました。『くだりもの』は美味しいものという意味で使われ、反対に美味しくないものを『くだらない』と言ったことが語源だと言われています。


昔の酒造りの道具などを見ることができる蔵元の展示館もぜひご覧ください。

●白鹿記念酒造博物館 酒蔵館
宮水明治2年に建てられた木造蔵に酒造りの道具を展示しています。
白壁の長屋門をくぐってはいった先には「坂石道」(宮水を運ぶ荷車用の通り道)や「跳ねつるべ」(宮水をくみ上げるための装置)などがあります。館内には昔の酒造り用具などが展示され、明治時代の酒造りを追い体験できます。
●白鷹禄水苑 白鷹集古館
宮水昔ながらの酒造り道具や酒器などが土蔵を利用して展示されています。また、「暮らしの展示室」では江戸末期から昭和初期にかけての蔵元4世代の生活用品を四季折々の行事や設えに合わせて展示。戦前の造り酒屋の暮らしぶりを伝えます。

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